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「タロット占い」は最強のコミュニケーションツール! 誰でも始められるやり方を解説

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こんにちは。青識亜論です。

この度、Curetさんで記事を書く機会をいただいたので、私の十年来のライフワークである「タロット占い」のやり方を解説していきたいと思います。

最初は趣味程度で始めたのですが、「当たる」と評判が評判を呼び、最近ではいろんなイベントに呼ばれて、ブースを構えるような機会も増えてきました。

イベントで占ったお客さんから、継続的に占ってほしいと、個人的な依頼をいただくことも多いです。

でも、私はただのサラリーマンで、別に特別な霊感があるとか、ものすごいスピリチュアルな能力があるとかいうわけではありません。

ちょっとしたコツをつかむだけで、「タロットカード」はとても魅力的な「コミュニケーションツール」になります。
そして、多くの人とつながったり、普通に会話するよりも内面に踏み込んで、いろんな情報を引き出すことができたりするアイテムになるんです。

なぜ「タロットカード」がいいのか

おみくじの結果ってシンプルでわかりやすいですよね。
「大吉」だったら一番いい運勢だし、「凶」が出ると悪い結果。子どもでもわかります。

それが、おみくじの魅力でもあるのですが……
おみくじの結果が「大凶」で「待ち人 来たらず」「恋愛 悪し」「商売 傾く」とか言われても、「じゃあどうすればいいんだ!」って話になっちゃいますよね。

神様の決めた運命に翻弄される無力な人間という、日本古来の自然や信仰に対する考えが反映されたものなのでしょうね。
わかりやすくはあるものの、半面、悪い結果が出たら絶望しかありませんし、良い結果なら良い気分になってそれで終わりです。

しかし、タロット占いは違います。

「大吉」や「大凶」のように、良い悪いがはじめから決まっているカードはほとんどないです。
結果も複雑で、カードの出方や、占いの対象者が置かれている状況によって、意味が変わってきます。

これは、タロット占いが、おみくじのような伝統的な占いと比べて、実は比較的新しい技法であるためなんです。

例えば、繁華街とかでおじいちゃんが木の棒をジャラジャラやって占っているアレは、「易」といって、起源は3500年前の中国で成立した「易経」という経典にまでさかのぼります。

手相とか、占星術なども、数千年から歴史をさかのぼることができる、歴史ある技法です。

一方、タロットカードの原型と言われるものが生まれたのは、15世紀のイタリア。
そう、ルネッサンスの真っ只中、神の教えがすべてを支配する世界観から、人間中心の世界観へと、急速に移り変わっていった時代です。

そして、現在のタロット占いのような技法が確立したのは、20世紀に入ってからだと言われています。
そのため、当時流行していたユング心理学や、「ポジティブシンキング」のような成功哲学から強く影響を受けています。

人間が運命を変えられるという前提で組み立てられた占いなので、占い師や占われる人の心の在り方によって、結果の読み方が変わってくる……。
タロットカードは、そういうふうにあらかじめデザインされているわけですね。

タロット占いの面白さは「リーディング」にある

例えば、タロットカードの「大アルカナ」の「1番」のカードである「魔術師」が、どんな結果を表しているのか見てみましょう。

正位置:起源、可能性、機会、才能、チャンス、感覚、創造
出典:Wikipedia

これだけだと、なんの意味かさっぱりわかりませんよね。
おみくじと違って、カードが出た後で、さらに解釈を加えてやる必要があるわけです。

これを、「リーディング」と言います。
ここに、タロット占いの面白さがあるわけです。

抽象的な結果だからこそ、いろんな読みができます。
仕事運で出たなら、新しいビジネスチャンスとの出会いと読むこともできれば、秘められた才能への気づきがあるかも……なんて読み方もできます。

恋愛なら、思わぬキッカケでいい人と会えるかも、という読みもできれば、カードの図柄の魔術師を恋愛対象に見立てて、セクシーで妖しげな魅力のある異性、なんて解釈も面白いですよね。
余談ですが、「性的に魅力がある=グラマーな」という言葉は、もともとは魔術的な力を意味していたと言われています。

無数にある解釈の中から、占う相手の方のお話を聞きつつ、一番最適な解釈を提示する。

話しているうちに、
「新しいチャンスと言えば、実は先日こんなことが……」
なんて会話に発展すれば、最大限そこから情報を引き出していき、カードの解釈を少しずつ修正していく。

それを繰り返していくうちに、占われている側の内面の「課題」や「願望」が整理されていき、占いが終わるころには、「すごくスッキリした」「当たっていた」という後味が残るわけです。

占う側と、占われる側、さらにはカードの図柄の意味という、三者のコミュニケーションによる共同作業で占いの結果を「読み解いていく」こと。
これはほかの占いにはない妙味です。

タロット占いが終わるころには、ちょっとした秘密の共有や、信頼関係の構築につながっていることでしょう。

タロット占いはカードの意味を覚えるのが大変? いいえ、覚える必要はありません

タロット占いの初学者がつまずく最大のポイントは、「覚えることが多すぎる!」ということです。

タロットカードは「大アルカナ」という、強い運命の力を示すカードが22枚、そしてそれを取り巻く「小アルカナ」というカードが56枚あります。
計78枚! 無理だーッってなりますよね。

おまけに、これらのカードは「方向」があり、正面向きにでると「正位置」、逆向きにでると「逆位置」と呼ばれ、それぞれ意味が異なります。
ということは、78枚×2=156通り……!?

とてもではありませんが、すべて暗記するのは無理そうに思えます。

でも大丈夫。
この意味をまるっと覚える必要はありません。

タロット占いを始めるのに必要な3つのこと

タロット占いを始めるために必要なことは3つ。

まず、どれでもいいので、タロットカードを買いましょう。
いまはネット通販でいろんな種類のものが売られていますので、あなたが気に入った図柄を選んでください。
もし、図柄にこだわりがないのであれば、「ライダーウェイト版」をおすすめします。

次に、解説書を買ってパラッと読みます。
いきなり分厚いやつではなく、薄くてシンプルな解説のものを買いましょう。
なんなら、最近はインターネットでも解説サイトがあるので、それを一読するだけで充分です。

カードの意味を「覚える」のではなく、大掴みで大雑把なニュアンスが理解できていればOK。

最後に、これが一番大事なのですが、カードの入れ物と、できれば下に敷くクロスを買うことです。
入れ物は、手彫りの木箱など、ゴツくて雰囲気があるもの、クロスはカードを混ぜても動かない、しっかりとしたつくりのものを選びましょう。

準備はこれだけ!

そして、おもむろに友人知人をつかまえて、「実は、タロット占いやってるんだ」と持ちかけてやりましょう。

「すごい魔術的な才能、持ってます」ぐらいの自信をにじませながら言うのがポイントです。
そして、うやうやしくクロスを引き、いわくありげにタロットの木箱を取り出す……とにかく「なんか凄そうな感じ」で圧倒するのです。

カードの並べ方(スプレッド)は、なるべく使用枚数の多いものをおすすめします。
スプレッドに迷ったら、「ケルト十字」にしましょう。

初心者は1~2枚で完結するスプレッドがいいと推奨している解説書などもあります。

しかし、カードの意味を覚えきらないうちは、カードがたくさんあったほうが誤魔化しがききやすいです。
カードの枚数が少ないと、少ないカードを深堀りしないといけないので、解釈が難しいカードを引いてしまうと、リカバリできなくなります。

当たる! と言われるタロット占いのコツ

カードの意味を暗記せずに並べてしまうと、当然、
「あれ? これどういう意味のカードだっけ」とか、
「カードの意味はなんとなくわかるけど、この場合どう解釈すればいいんだろう」とか、
詰まってしまいますよね。

大丈夫。
カードの意味は、カードの図柄が教えてくれます。

あなたがカードを見て、占っている相手のお話を聞いて、ピンときた解釈で読み進めればいいんです。
占いの本に書いてあるカードの解釈だけがすべてじゃありません。

先ほども書いたように、タロットカードは、ひとりでに答えがでる占いではなくて、占っている相手とカードと対話しながら、結果を導いていく占いだからです。

大事なことは、「あれ?」という自信のない表情をしないこと。
インスピレーションが湧いたら、自信満々に、これ以外の解釈はないという顔で、結果を断言してください。

あなたの心の中にその解釈が生まれたというところも含めて、「占いの結果」なのですから。

心配いりません。
私も何百人もの人を占ってきましたが、「占いの本に書いている内容と、あなたから聞いた内容は違っている」と言われたことはありません。

万が一、そんなこと言う人がいれば、「その本よりも私の解釈のほうが正しい」と言ってしまえばいいのです。

悪い意味しかないカードは存在しない

そして、タロット占いにはもう1つ大事なコツがあります。

並べたカードのいいところを必ず見つけて、占っている相手の人柄や能力、経験をできるだけホメてあげることです。

優しい人柄や、素晴らしいチャンス、積み重ねてきた努力が実る……そういったカードがでていれば、まずはその素晴らしい意味をしっかりと伝えてあげてください。

まず第一声はホメから入る。これが基本です。
占いの結果を聞く人は、「悪い結果だったらどうしよう」と思って、緊張していることが多いですから、良いお話を最初にもってきてあげて、安心させてあげることが、円滑なコミュニケーションを可能にします。

じゃあ、悪いカードが出てしまったらどうすればいいの?
そう思われるかもしれませんね。

タロットカードには、悪いだけの意味、不運なだけのカードというのは、ほとんど存在しません。

例えば、よく悪い意味で解釈されがちなカードに、「13番」の大アルカナ「死神」のカードがあります。

死神のカードは、どくろの顔の死神に、倒れ伏す人々、死の勝利……いかにもおどろおどろしい、不吉で恐ろしそうな絵柄をしています。

ですが、よく見ると、死神の足元には、幼い子どもがいて、行く手を阻むように祈りをささげる僧侶がいます。
そして、絵柄の奥には、夜明けの太陽が見えますね。

そう。死神のカードには、死だけではなく、希望や再生、破壊からの新たな始まりという意味もあるのです。

恋愛運ならば、別れの後の出会いや、喧嘩したあとでかえってお互いの仲が深まるとか、そういう意味に読んでもいいかもしれません。
仕事運なら、失敗の後の成功、挫折が逆に次の成功の種になる、そういう意味にも読めます。

カードの意味の複数性を上手に活用して、占いの相手を元気づけるような解釈をしてあげましょう。

タロット占いでは相手をたくさんホメてあげて!

占いの基本のフローは、「ホメ→ホメ→悪いこと→ホメ」です。

それを繰り返しているうちに、最初は半信半疑で聞いていたような占い相手も、だんだんあなたの声に耳を傾け、自分の思いを話してくれるようになります。

そうなればしめたもの。
相手のお話に合わせて少しずつカードの解釈を寄せていってください。

終わったころには、「すごく当たっていた」「納得した」「面白かった」という感想を得られるはずです。

そして、占った相手との関係は少しだけ近づき、場合によっては信頼関係さえ芽生えているはずです。

どうでしょうか。
タロットカード、ちょっと始めてみたいなと思ってもらえれば幸いです。

青識亜論

ネット論客。京都大学経済学部卒業後、徳島で地方公務員としての仕事に従事するかたわら、ネットでの言論活動を行っている。表現の自由やフェミニズムをめぐる意見発信...

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