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アルテイシアさんが教える「男女平等なパートナーを見つける方法」後編

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Curet編集部です。今回、あたたかく優しい言葉で女性を力づけてくださることで人気の作家、アルテイシアさんに「男女平等なパートナーを見つける方法」を教えていただきました。

→アルテイシアさんが教える「男女平等なパートナーを見つける方法」前編から読む

婚活で大切なのは「磨けば光る金の卵」を探すこと

婚活では、磨けば光る金の卵(キンタマ)を見つけてほしい。

そのために大切なのは、完成形を求めず、ポテンシャルに注目すること。
完成形を求めず、ポテンシャルに注目すること。

大切なことなので二回言った。
なぜなら、ここはスウェーデンやニュージーランドじゃなく、ジェンダーギャップ指数120位のヘルジャパン。

完璧に仕上がってるキンタマを見つけるのは、砂漠で砂金を見つけるぐらい、FXで2億円ゲットしてダブルピースするぐらい難しい。

そのため、ポテンシャルに注目するのがおすすめだ。
「みんなアップデートの途中だもんな」と己に言い聞かせ、相手に伸びしろがあるかをチェックしよう。

周りの女性陣からも「日々いろんな対話を重ねる中で、夫のジェンダーイコールレベルがアップした」との声が寄せられる。

こちらの話を真摯に聞く姿勢、尊重して学ぼうとする姿勢があれば、キンタマに育つ可能性は高い。

婚活で見切りが早すぎるのは損をする

「股間を痛めて産んだ子でもないのに、なんで大の男を育てなあかんのじゃ」と暴れたい気持ちはわかる。
そんな時は、お手持ちのエレキギターを壊して「ロックンロール!!」と叫ぼう。

というのも、婚活で見切りが早すぎると損するのは事実だから。

我が夫も私と付き合う前は、性差別について深く考えたことはなかったし、「へ~日本って夫婦別姓にできないんだ」ぐらいの認識だった。

そんな発言を聞くとイラッとしたが、「まあそこに座りなさい」と着席させて、こんこんと説明した。

夫には素直に真摯に聞く姿勢があったので、話し合い&歩み寄りができた。
そこでクソリプを返すような男だったら、エレキギターで頭をかっ飛ばしただろう。

自分で説明するのが難しい場合は、性差別に関する記事や本を紹介しよう。

拙著『モヤる言葉、ヤバイ人』も推薦図書に入れてほしい。
性差別やジェンダーについてわかりやすく書いているので、初心者でも読みやすいと思う。

記事や本を勧める際は「私にとって男女平等やジェンダー問題はすごく大事だから、あなたにも理解してほしい」と言ってみよう。
そこで面倒くさがる男はパートナーを尊重してないし、キンタマではなくウンコである。

「譲れること、譲れないこと」を明確にするのが婚活成功の鍵

出会った当時の夫は母親と二人暮らしで、料理も家事もろくにやったことがなかった。

私は「料理や家事は女任せですか、いいご身分ですね、笑止!」とイマジナリーギターをぶっ壊しつつ、試しに付き合ってみた。
彼にはこちらを尊重する姿勢があったし、話していて楽しかったから。

もしあの時点で「この味は!…ウンコの味だぜ…」と見切っていたら、夫と結婚することはなかっただろう。

試しに付き合ってみたら、夫にジェンダーロール(性役割)意識は一切なく、中身はジェンダーイコール男子だとわかった。

家事スキルは低かったので教える手間はかかったが、素直に教わる姿勢があり、言われたことは全部やるので不満はない。

なにより、私にとって一番大切なのは「私にダメ出しをしないこと」なのだ。
もし料理や家事が手抜きとか言われたら、俺のエレキギターが火を吹くぜ。

夫は私にダメ出しをしたことがないし、ウンコを漏らしても褒めてくれる。
そんなアナル&ガッバーナ精神こそ、毒親育ちの私がパートナーに求めるものだった。

やはり婚活成功の鍵は「何は譲れて、何は譲れないか?」を明確にすることである。

かつ、男女平等なパートナーを求めるなら「でも恋愛では男性にリードされたい」「告白やプロポーズは男からじゃないと」的な願望は捨てよう。
「戦じゃー!ブオオーッ」と法螺貝を吹いて、みずから大将首を落とそう。

この「受けじゃなく攻め」の姿勢も婚活成功の鍵である。
動かざるごと山の如しなオクテ男子の中に、キンタマが潜んでいるから。

話し合いで歩み寄れば良きチームになれる

また「聞きたいことは相手に聞く」も婚活成功の鍵である。

「彼はどう考えてるんだろう?」とグルグル悩んだり、「彼はどう考えてると思う?」と周りに相談する人が多いが、彼の考えてることは彼にしかわからない。
人はニュータイプにはなれないと諦めて、聞きたいことは直接本人に聞こう。

良きキンタマをゲットした女子たちは、交際に進んだ後にいろんなテーマで話し合ったという。

家事や家計の分担は?子どもを持つか持たないか?夫も育休を取れるのか?もしどちらかが不妊だったら?名字はどうするのか?子どもが熱を出して夫婦どちらかが休まないといけない場合はどうする?…などなど。

そういう現実的な話し合いをできない相手とは、人生50年を共に闘うチームにはなれない。
意見がすれ違った場合もちゃんと話し合って、歩み寄れる相手かどうかを確認しよう。

この世はでっかい宝島、あなたにピッタリなキンタマはどこかに潜んでいる。
小さいタマや大きなタマ、一つとして同じものはないから、自分だけの特別なオンリーワンを見つけてほしい。

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アルテイシア

アルテイシア/作家。神戸生まれ。『59番目のプロポーズ』でデビュー。著書に『モヤる言葉、ヤバイ人』『離婚しそうな私が結婚を続けている29の理由』『40歳を過...

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