友達の結婚式を祝えない自分を、責めなくていい理由 ラブホの上野さんの人生相談
目次
厳しくも優しい指導をいただける、ラブホの上野さん。今回のは「友人の結婚式に参列するのがきつくなってきた」切ない女性のご相談にお答えいただきます。
結婚式に呼ばれるのが苦痛です
私は結婚式に呼ばれるほうで、これまで50回近く友達の結婚式に呼ばれてきました。
人望がある方ではないので、人数合わせで呼ばれたこともたくさんあると思います。
何であれ、友達の幸せを祝うのが嬉しくて、これまで参加してきました。
ですが、今年1年付き合った彼に「お前との結婚は考えられない」と別れを告げられてしまい、それからは結婚式への出席も、SNSでの結婚報告も、苦痛に感じてしまう自分がいます。
嫉妬してしまっている自分に気づき、恥ずかしい、情けない気持ちです。
こんな風に感じてしまう自分が嫌になりますが、それでも人の結婚式を見たり、聞いたりするだけでつらいです。
こういう嫉妬は、いつか消えてくれるのでしょうか。
友達を素直に祝えていた自分に戻りたいです。
【回答】
ご質問誠に有難う御座います。
ネットのアンケートでございますので正確さに欠けるのは否めませんが、結婚式の平均招待客数は約60人。つまり新郎新婦1人あたり30人を招待するという計算になります。
現代の日本では結婚した夫婦のうち式をあげるのは約50%。再婚で複数回結婚式を挙げる方や結婚しない方もいらっしゃいますが、ざっくりした計算をすると人は一生のうちに平均して7.5回ほど結婚式に招待されることになるでしょう。
つまりご質問者様の50回という数字はどう考えてもあまりにも多いのです。
ご質問者様が地元の有力議員の娘とか、大手企業の重役とかであるのであれば話は別ですが、普通の女性であるならば50回という数字はあまりにも多いと言わざるを得ません。
それではご質問者様は一体なぜ50回も結婚式に招待されたのでしょうか?
どう考えても「交友関係が異常に広い」という可能性しか考えられません。
そして交友関係が異様に広いのであれば、1人1人との関係が希薄になるのは当然のことでしょう。
ビルゲイツには嫉妬しない
人間は自分とあまりにもかけ離れた人にあまり嫉妬を致しません。
例えば世界でも有数の金持ちであるビルゲイツに対して嫉妬をする人はあまりいらっしゃらないことでしょう。資産があまりにも多すぎるので嫉妬をする気も起こらないのです。
しかし隣の家の住人が年収1000万であったり、大学時代の同級生が自分の倍も稼いでいるような場合、嫉妬心がメラメラと燃え上がる方は多いでしょう。
また逆に関係が極めて近い方に対しても人はあまり強い嫉妬心を抱きません。
大親友の結婚式であれば人はあまり嫉妬をしないのです。相手の幸せを自分の幸せのように感じることが出来るので嫉妬心よりもお祝いの気持ちが強くなるのでしょう。
つまり人は「近すぎる相手」にも「遠すぎる人」にもあまり嫉妬を致しません。
人が嫉妬をするのは”適度に近い相手”に対してなので御座います。
祝い泥棒
人間は「人の幸せをお祝いしたい」という気持ちと、「人の幸せが妬ましい」という気持ちが共存している生き物で御座います。
重要なのはあくまでもバランスであり、どちらか一方しかないなんてことはあり得ません。ご質問者様が心の底からお祝いしたと”思い込んでいる”結婚式であっても、ご質問者様の心の中には少なからず妬みの炎が燻っていたのです。
さて、それでは今のご質問者様はどのような状況になっているのでしょうか?
大変失礼ながら、ご質問者様は明らかに異常なほど交友関係を広げております。
つまり1人1人に対しての思い入れは決して大きなものでは御座いません。本来そのような関係であれば「結婚した」と聞いても「ふーん、よかったね」程度の「お祝いの気持ち」しか生まれなかったことでしょう。
しかし結婚式に呼ばれてしまったばっかりに、ご質問者様は本来存在しないお祝いの気持ちを作り出さなくてはならなくなったのです。「ふーん良かったね」程度の関係でしかないはずなのに、「おめでとう!!本当に良い式だったね!!末長くお幸せに!!」という心にもないセリフをいうことを強いられているのです。
これは何もご質問者様の心が貧相とかそういう話では御座いません。
そこまで仲良くない関係の相手であれば、どんな人だって「ふーん良かったね」程度の感情しか生まれないのです。今この瞬間も世界中には何組もの男女が式を挙げていることと思いますが、その結婚に対しては「ふーん良かったね」程度の感情しか抱けないことでしょう。
それと同じで御座います。
交友関係が異常に広いご質問者様は、本来「ふーん良かったね」程度の感情しか抱いていなかったはずなのです。それなのに全力でお祝いをしていたのですから、お祝いの気持ちを借金しているようなものでしょう。
しかしとうとうその無理がたたって、借金が出来なくなってしまいました。
だからこそご質問者様は人の結婚を素直にお祝いできなくなってしまったのです。
ですがご質問者様は1つだけ勘違いをしております。
ご質問者様は「友達を素直に祝えていた」のでは御座いません。
「友達を無理して祝っていたものの、限界に到達してしまい無理ができなくなった」だけで御座います。
無理して祝うな
真面目なご質問者様は人の結婚を素直に全力で祝わなければならないというお気持ちが強いことでしょう。
しかし大親友であればまだしも、薄い関係の友人の結婚なんて素直に全力で祝うことなんて出来るはずもないのです。
せいぜい「ふーん良かったね」程度の話。
「友人の結婚は素直に全力で祝わなければならない」というご質問者様の考えは立派なものだと思いますが、それ自体が間違っているのです。人間は素直に人の幸せを祝えるほど立派な生き物では御座いません。
ですのでもう無理して祝うのはやめましょう。
人の幸せを素直に祝えない状況こそが通常なのです。これまでの素直に祝えていたご質問者様は無理をして借金をしていただけに過ぎません。