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結婚相手の条件を絞ることができません…アルテイシアさんの人生相談 後編

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Curet編集部です。今回、力強くも優しく女性を力づけてくださることで人気の作家、アルテイシアさんに「結婚相手の条件が絞れない問題」について語っていただきます。

結婚相手の条件を絞ることができません…アルテイシアさんの人生相談 前編から読む

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婚活でたくさんの男性に会えば「自分の好き嫌い」が見えてくる

 

理想のパートナー像をイメージするのは大事。

 

と言われても、イマイチわからない人もいるだろう。恋愛経験が少ない人は特に、具体的にイメージしづらいと思う。

 

そんな場合は、婚活でいろんな男性に会ってみよう。多種多様な男性に会ううちに「自分はどんな男性が好きか、嫌いか」「合うか、合わないか」が見えてくる。なのでサンプル収集、フィールドリサーチのつもりで婚活に臨んでほしい。

 

前編で「足切りが早すぎると損をする」「あんぱんの皮よりあんこに注目」と述べたが、相手の中身(あんこの部分)は何度か会って、会話を重ねてみないとわからない。

 

よって初対面で「まあイヤではないかな?」と思ったら、システマティックに3回会う、と決めてしまう「3回ルール」がおすすめだ。

 

婚活市場に「わかりやすく魅力的な男子」は少ない。初対面で「ピンとくる」ような、見た目やコミュ力の仕上がってる男子は残ってないため、完成形を求めない姿勢が肝要。

 

第一印象はパッとしない、女慣れしてなくて地味でオクテなタイプの中から、掘り出し物を見つけてほしい。

 

そういう男子は自己アピールが下手なので、何度か会ううちに良さが分かることが多い。その前に足切りするともったいないので、3回会ってから判断しよう。

 

3回会ってみて「人として信頼できるし、友達にはなれそうかな?」と思ったら、お試し交際を提案するのもアリである。

惚れっぽくない女子は、結婚向き

というのも世の中には「惚れっぽい女子」と「惚れっぽくない女子」がいて、婚活市場に残っているのは後者が多い。(惚れっぽい女子は彼氏が途切れないケースが多い)

 

惚れっぽくない女子は、人を好きになるのに時間がかかる。

 

一緒に過ごす時間を重ねるうちに、相手の良さや居心地の良さを感じて、じわじわと好意が芽生える…という“じわじわ炭火コース”が定番だ。

 

パーッと盛り上がる花火系は冷めるのも早かったりするし、炭火系の方が長続きするケースが多い。すなわち、炭火系の方が結婚向きと言えるのだ。

 

というわけで「お互いをよく知るためにも、お試し交際してみませんか?クーリングオフ有りで」「試しに付き合って合わないと感じたら、その時点で交際解消しましょう」とさくっと提案してみよう。この言い方だとリスクが少ないため、OKをもらえる確率が高い。

 

また浮気しない男子、すなわち真面目で誠実な男子は「付き合う=結婚」ぐらいに考えているため、動きが鈍い。速度的に言うとゾウガメぐらい鈍い。

 

けれども真面目で責任感が強いぶん、いざ付き合うと短期間で結婚に至るケースが多い。

 

付き合ってみないと、相手がベストかはわからない

 

そもそも、相手がベストパートナーかどうかは、付き合ってみないとわからない。

 

付き合う前はお互い素をさらけ出せないし、腹を割って本音トークもできない。それに付き合ってからじゃないと、ケンカもできない。

 

いざ付き合ってケンカやすれ違いが起きた時、ちゃんと話し合って歩み寄れるか?が、ベストパートナーを見極めるポイントなのだ。

 

そのためには、ガチで好きになる前に付き合った方がいい。

 

ガチで好きになると、嫌われるのが怖くて言いたいことを言えないポイズン状態になりがちだ。また恋は盲目フィルターがかかって、違和感に目をつぶってしまったりもする。

 

なのでお試し交際の段階で言いたいことを言い合って、50年暮らせるパートナーかどうか見極めてほしい。

 

前編で「過去に何度もうんこを食った」と述べたが、スペック重視で付き合った元彼たちは、相手もこちらのスペックしか見ていなかった。

 

そのため素をさらけ出すと「思てたんと違う」と振られてしまい、何度も血を吐いてきた。

 

さんざん吐血して気づいたのは、素のままでマッチする相手、「自分を削らなくてもピッタリ合う、おせんべいの片割れ」のような相手がベストパートナーであり、そうじゃなきゃ50年暮らせない、ということだ。

 

「その人といる時の自分を好き」でいられるか?

おせんべいの片割れを見つけるには、「自然体でいられるし、一緒にいて楽」「その人といる時の自分はけっこう好き」という感覚を大切にしてほしい。

 

拙者は夫に出会った時、全身迷彩服だし貧乏そうだし昆虫と恐竜の話しかしないし「この人と恋に落ちるとか絶対ないな」と思っていた。

 

でも当時は「惚れたハレたはもういい、家族がほしい!」と切望していたため、恋に落ちないまま試しに付き合ってみたら、夫はパーフェクトアナル超人だった。

 

パーフェクトアナル超人とは、器がでかくて、優しさや思いやりがあり、共感力や想像力に優れた人物という意味だ。

 

私が子宮全摘手術で入院した時も、毒親が次々と遺体で発見された時も、夫は寄り添って支えてくれた。

 

そんなパートナーと暮らしていると「あんぱんの皮の部分って、マジでどうでもいいな。つか、あん本体だけでよくね?」という気持ちになる。

 

それらの詳細を綴った『離婚しそうな私が結婚を続けている29の理由』を、よかったら読んでみてほしい。

 

相談者殿もベストパートナーを見つけて、幸福な結婚生活を送ることを祈っている。

 

【アルテイシアさんよりお知らせ】
性暴力防止の啓蒙動画の脚本を書きました!ぜひご覧ください。

新刊『離婚しそうな私が結婚を続けている29の理由
アルテイシア『離婚しそうな私が結婚を続けている29の理由 』

オタク格闘家と友情結婚した後も、母の変死、父の自殺、弟の失踪、借金騒動、子宮摘出と波乱だらけ。でも変人だけどタフで優しい夫のおかげで、毒親の呪いから脱出。楽しく生きられるようになった著者による、不謹慎だけど大爆笑の人生賛歌エッセイ。

爆笑の人生賛歌エッセイ。

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アルテイシア

アルテイシア/作家。神戸生まれ。『59番目のプロポーズ』でデビュー。著書に『モヤる言葉、ヤバイ人』『離婚しそうな私が結婚を続けている29の理由』『40歳を過...

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