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好きな人のセフレになって4年…ラブホの上野さんが本命になりたい女子へアドバイス・前編

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厳しくも優しいアドバイスすることで有名なラブホの上野さん。

今回は「好きな人のセフレになって4年、本命になるには何が足りないの?」と悩む20代の女性に向けて、上野さんがアドバイスを送ります。

私が好きな人の本命になるには何が足りないのでしょう

私は好きな人のセフレになり、4年になる25歳です。

彼とは大学で知り合い、曖昧に言うと「体の関係」で今まで続いています。

彼はとてもか弱い人で、大学時代も鬱で休学したり、今も安定剤を飲んでいるタイプです。
そんなところもあって1人の女性に決めきることができず、結婚も踏み出せないのかなと思っていました。

ところが、最近、彼には本命彼女がいて、しかも半年前に別れていたと知りました。
彼女がいたことも聞いたことがなかったので、さすがにショックを受けたのですが、これを私に言えないのも彼の弱さだと思ったんです。

でも、じゃあ、私はいつ本命になれるんだろうと。
もう年齢も年齢なので気になっています。

上野さん、私が本命になるには何が足りないのでしょうか。

「アイスを買ったから気温が上がる」ことはない

ご質問誠に有難う御座います。

『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神(以下「プロ倫」)』という論文をご存知でしょうか。

プロ倫は、ドイツの社会学者マックス・ウェーバーが1905年に著した論文で御座います。
大学で経済学を学んだ方であれば、おそらく1度は耳にしたことがあることでしょう。

この論文は、キリスト教諸教派の「プロテスタント(特にカルヴァン派)」が多い地域では、それ以外の地域よりも資本主義が普及しやすかったということを説明していますが、その理論構成がなかなかに面白いので簡単に解説させて頂きます。

プロテスタントには、「運命論」という考えが御座います。
これは「神によって救われる人間は決められている」という考えであり、要するに現世でどれだけ頑張ろうが、神に選ばれていない人間は救われないということで御座います。

私ならば「頑張ろうが頑張らなかろうが、救われるかどうかは神によって決められているのであれば、頑張っても無意味じゃん」と考えて、自堕落な生活を送りそうなものでしょう。
しかし、どうやら当時のプロテスタントの方々は、そう考えなかったようで御座います。

自分が神に選ばれているのかどうか不安になり、その結果「こんなに頑張ってる自分は、神に選ばれている側の人間であるはずだ」と思い込もうとするようになりました。

「”神に選ばれた人間である”から”神の御心に沿った行動を取る”」という論理構造が、「”自分は神の御心に沿った行動を取っている”から”自分は神に選ばれている”はずだ」となったのです。

「気温が上がったからアイスを買う」ということはあっても、「アイスを買ったから気温が上がる」ということはあり得ません。

これは簡単にご理解頂けることと思いますが、当時のプロテスタントの思考回路は、このアイスの例と全く同じなので御座います。

今の思考回路は「アイスを買ったから気温が上がる」と同じ

それでは、今回のご質問に戻りましょう。

今回のご質問で最も気になったのは「曖昧に言うと体の関係」という部分。
この部分が非常に気になりました。

「曖昧に言うと体の関係」ということは「曖昧に言わなければ〇〇」という何かがあるのでしょう。
それでは、その「〇〇」は一体なんなのでしょうか。

ここで重要になるのは「体の関係」という言葉自体が、全くもって「曖昧」ではないということでしょう。
それに、ご質問文を読む限りでは、ご質問様と彼の関係は「体の関係」であり、曖昧なところなど御座いません。

それなのに、ご質問者様が「曖昧」なんて言葉を使ったということは、これはご質問者様の「願望」が込められていると考えるのが自然でしょう。
願望という言葉が適切ではないのであれば、「認知の歪み」と言っても良いかもしれません。

そもそも、今回のご質問文には「一見するとなんか納得しちゃいそうだけど、冷静に考えると意味不明な理屈」がいくつも御座いました。

例えば、「彼はか弱いから結婚に踏み出せない」という部分。

おそらく、彼はご質問者様と同年代で20代中盤。
となれば、結婚に踏み出せないのは普通のことで、弱いとか弱くないとかそういう問題では御座いません。

それに、ご質問者様はご自身でも「セフレ」と言っているのです。
どうして「何も問題がなければ結婚に踏み出している」かのような言論になっているのでしょうか。

また、「私はいつ本命になれるのだ」という部分などは、先ほど紹介したプロ倫のプロテスタントと同じ思考回路と言わざるを得ません。

この言い回しは、「いつか本命になれる」という前提で御座います。
しかし、「セフレ」は本命になれないのが普通で、本命になれる方がレアなものでしょう。

それなのに「いつか本命になれる」という前提で話しているのは、プロテスタントが「俺は神に選ばれている側の人間のはずだ」と思い込んでいるのと全く同じ行動で御座います。

本命になりたい女性へ、ラブホの上野さんが送るアドバイスは…「好きな人のセフレになって4年…ラブホの上野さんが本命になりたい女子へアドバイス・後編」を読む

ラブホの上野

都内某所のラブホスタッフ。 ラブホの上野さん原作・各種コラムの執筆をさせていただいております。

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