DV男に心を壊された私が自分を取り戻すまでの戦い・前編
目次
誰にも1つや2つくらい、人に話したくない恋愛経験があるのではないだろうか。
私にも、星の数には達しないが、どうしようもない男にアホみたいにのめり込んでいた経験や、男に狂っていたような時期がある。
その時はその時で一生懸命だったつもりでも、覚めると一瞬で俯瞰して見えて、「あぁ、消えたい……」なんて後悔の念に駆られる。
今回の記事は、ありがたいことに担当者の方から「自由に書いていいですよ」と言っていただいたので、私のどうしようもない過去の恋愛の1つである、昔付き合っていた「暴力を振るってきた男性」について書いていく。
少しでも、同じような体験をしている人の参考になれば嬉しい。
※本記事では本人の特定を防ぐため、少し脚色をしています。
暴力をふるう男と付き合っていた私
ドメスティックバイオレンス。
略してDV。
この単語は多くの方がご存知だと思うが、いわゆる配偶者や恋人など、親密な関係にあたる人からの暴力を「DV」と呼ぶ。
恋人からの暴力の場合は、「デートDV」という呼ばれ方をする。
しかし、最近では全部総合して「DV」と呼ばれることもあるので、私も今回の記事では「DV」とする。
私は昔、当時お付き合いをしていた男性からDVを受けたことがある。
「顔を叩くことをやめて欲しい」と伝え、「わかった」と言っていても一向に治らず。
「別れたい」と何十回も言っても、別れられず。
そんな日々を過ごすうちに、私は過呼吸をよく発症するようになってしまって、精神科で薬をもらっていたことがある。
そんな私が、彼と付き合い、そして別れるまでの話をしていく。
彼の最初の印象は「好青年」だった
彼とは、共通の友人に誘われた飲み会で出会った。
私の異性で好きなタイプは「性欲がなさそうな中性的な男性」なのだが、彼も中性的な雰囲気だったので最初から気に入っていた。
礼儀正しく、清潔感もあって、まさに「好青年」という印象。
彼に会ったほとんどの人が、彼に対して好感を抱くだろう。
(この「好青年のイメージ」のおかげで、別れる前に友人からは「なんであんな素敵な人と」という地獄のような言葉を聞く羽目になったが)
彼も初対面で私を気に入ってくれたらしく、その後何回かデートを重ねた。
そして、ある日、夕食を一緒に食べたあとに公園で告白されて、付き合うことになった。
ここまでは、特におかしなことのない、ごく普通の恋愛だった。
しかし、数ヶ月経過して「普通の恋愛」が徐々に崩壊していった。
最初のDVは、ちょっとした喧嘩からだった。
かなり昔のことで喧嘩の内容についての記憶は曖昧だが、些細なコミュニケーションのズレから起きた喧嘩だったと思う。
夜の公園で口論になった末、頬を叩かれた。
彼から暴力を受けた瞬間、私は呼吸がうまくできなくなりうずくまった。
その後、彼はしばらく怒鳴っていたが、私の体調が戻らないことに気づき、態度を変えて私を介抱した。
叩かれた頬は、そこまで痛くなかった。
ただ、「叩かれた」という、その相手の行動自体に深く心が傷ついた。
何度別れを告げても別れてくれないDV男
暴力をふるう男性とは付き合っていられない。
その時はまだ正常な判断ができた私は、頬を叩かれた次の日、彼に「別れたい」と伝えた。
しかし、彼は「もう絶対やらない」「気を付ける」と言ってきて、結果、ずるずるとその後も数ヶ月付き合うことになる。
そして、その数ヶ月間には、彼からDVを受けることがしばしばあった。
「叩かれたりするのが嫌だから、別れたい」と私が言うと、「別れる理由は自分の意思で変えられるものと、自分の意思で変えられないものの2種類あって、前者の場合は絶対に別れない」と話す彼。
彼曰く、暴力は直せるものだから別れないらしく、何を言っても別れてくれなかった。
毎回、別れを告げる度に彼は「暴力を直す」と言ってたが、やっぱりDVはずっと続いた。
DVをテーマにしたテレビドラマや漫画でもあるとおり、本人が「変わる」と言い張っていても、人間そんなには変わらない。
彼は、叩くのを我慢している時には、怒鳴ったり近くの物を蹴ったりして、自分の怒りを抑えることなく、自分を優位に立たせた。
彼との付き合いを続けるうちに、私の心は削られていった。
仕事の前に喧嘩をした時は「喧嘩している時に仕事に行くのは許せない」とパソコンを強奪され、遅刻ギリギリで出社する羽目になった。
一緒に旅行に行った時に過呼吸になって、薬を飲んだ時に「薬中かよ」と言葉を吐き捨てられた。
駅のホームで喧嘩をして、彼の罵声や自動販売機を蹴った大きい音で私がまた過呼吸になり、駅員さんに助けてもらった時は一番の地獄絵図だった。
度重なる激しい喧嘩により、私は過呼吸をよく発症するようになってしまい、何回か精神科に通い薬をもらった。
2人とも全く幸せじゃないのに、彼はなぜか全然別れてくれなかった。
→DV男との恋愛の結末は……DV男に心を壊された私が自分を取り戻すまでの戦い・後編を読む