7年間の接客業で身に着けた、楽しい会話をするために必要なこと
目次
会話とは、他人とのコミュニケーションを深めるための重要なツールです。
しかし、上手く相手に気持ちを伝えることができないまたは会話が盛り上がらないなどの理由で、会話に苦手意識を持つ人は老若男女関係なく大勢います。
会話に苦手意識を持つ人が楽しい会話をするために必要なのは、ネタや会話の種類だけでなく「会話のつなげ方」です。
ここでは、7年間の接客業で磨き上げた筆者の会話テクニックを通じて、相手が楽しいと思える会話の方法を紹介します。
半引きこもりのコミュ障がアパレル店長になれたワケ
誰とでも楽しい会話をできる人は、一種の才能がある人と思われそうですが、そうではありません。
かくいう筆者も学生時代、他人とのコミュニケーションが苦手で引きこもりになりかけたことがあります。
当時は友達も大人も信じられず、会話をしても自分の話が他人に理解されないことに傷ついてしまう、いわゆる「コミュ障」でした。
卒業後は洋菓子店で接客のアルバイトをするも、パティシエでオーナーのセクハラが嫌になり、数ヶ月で退職。
辞める際にオーナーから言われた「接客に向いてないんじゃないの?」の言葉に打ちのめされ、数ヶ月は無職で家事をこなす日々を送っていました。
コミュ障なのに接客業をすることに
コミュ障を悪化させていた筆者でしたが、以前から好きなアパレルブランドのショップ店員から声をかけてもらったことで、人生に転機が訪れます。
週3日お店でアルバイトをしながら、数か月後には正式なショップ店員となり、何と2年後には店長に就任。
無我夢中でお客さんの相手をしていたら、テナントの入るビルの中で売上TOP5に入ることに成功しました。
その後も後輩や他店の店員さんに接客を指導するようになり、コミュ障なのに接客業にチャレンジした筆者は、こうして会話のプロとなったのです。
コミュ障だって楽しい会話はできる
向いていないと言われた接客業で会話の方法を磨いた筆者ですが、今でも初対面の人と話すのは緊張するし、会話が得意だとは思っていません。
しかし、コミュ障な筆者だって会話のコツさえ取得すれば、人の心を掴む楽しい会話ができるようになったのです。
筆者と同じように「会話をする才能がない」と悩んでいる人が、この記事を読むことで少しでも会話が楽しいと思ってもらえれば幸いです。
会話が苦手な人は「悪癖」を直すべし!
会話を苦手としている人はつい「会話の内容がつまらないから」と会話の質に目を向けてしまいがちです。
しかし、会話が苦手な人を観察していると、会話の内容ではなく無意識にしている悪癖が原因だと気づきました。
ここでは自分では気づいてない内にやってしまう、会話を盛り下げる悪癖の代表例をいくつか紹介します。
中々会話が盛り上がらないという人は、以下のような行動や態度を取っていないかを今一度確認してみてください。
会話が苦手な人の悪癖①相槌を打たない
楽しい会話をするためには、相手の話を聞く姿勢がなっていなければいけません。
会話をしているのに相槌を打たない人もいますが、この行動はかなりの悪癖です。
相槌を打つ仕草は、相手にあなたの話を理解できてるよとアピールするための仕草です。
相槌を打たないままで会話を続けていると、話をしている当事者は「自分の話に興味がないのでは?」と不安になってしまいます。
今までに何度も「ちゃんと聞いてる?」と言われた人は、うなづく仕草を加えてみましょう。
会話を聞いていると相手にきちんと意思表示することで、会話にも変化が見られるはずです。
会話が苦手な人の悪癖②視線が合わない
会話をしている相手と視線を合わせない行動も、会話を聞く姿勢がなっていないと思われがちな悪癖です。
相手に視線を合わせることは、相槌と同じく何も言わなくても「聞いているよ」とアピールするための仕草です。
視線を合わせるのが恥ずかしい、相手に心を見透かされた気分になるという人は、相手の目をしっかり見る必要はありません。
視線を合わせるのが怖いのならば、相手の鼻筋またはおでこを見るように心がけてみてください。
会話の相手もずっとあなたに視線を向けているわけではないので、大体の視線が合っていれば「こちらを見ている」と思われます。
会話が苦手な人の悪癖③自分語りが多い
会話が苦手な人は自分のことを喋りすぎてしまう、自分語りが多い傾向にあります。
一度耳にしたことがあるセリフかもしれませんが、会話とは言葉のキャッチボールです。
言葉のキャッチボールができない人に多いのが、会話に熱が入ってしまい相手の反応を気にしていない点です。
このような悪癖を続けていると会話の相手は置いてけぼりをくらった気分になり、内容についていくことを諦めてしまいます。
自分のことを知ってもらいたいという気持ちは悪いことではありません。
しかし、話をしている最中は相手の反応を見ることも大切です。
会話が苦手な人の悪癖④会話を広げない
会話が苦手な人は、会話を人任せにしてしまう悪癖があります。
相手がせっかく話のネタを提供しても、あなたが「そうなんだ~」と済ませてしまえば、会話は終了です。
いつも相手と話が盛り上がらないという人は、相手の話の感想をただ述べるだけで会話を広げる努力をしていません。
会話を広げるには、なぜ?どうして?の疑問を相手にぶつけるだけでOKです。
例えば「最近観葉植物を育てるのにハマっている」と話題が出たら「なぜ観葉植物を育てようと思ったの?」「どうして観葉植物なの?」と質問することで、相手の話を引き出すことができます。
相手に楽しいと思わせる会話ネタとコツ
楽しい会話をするためには、自分だけでなく相手にも「話をしていて楽しい」と思わせなければいけません。
さまざまな人と会話をして場数をこなすことも大切ですが、まずは人を楽しませる会話のコツを習得することをおすすめします。
ここからは、会話が苦手な人にぜひ覚えてほしい、相手を楽しいと思わせる会話のネタとコツをお教えします。
会話中はオーバーな表情を心がける
テレビ番組の司会者は、楽しい会話のお手本となる人物です。
彼らを見ていると、ゲストの話に対してオーバーなリアクションをしていることが分かります。
過剰すぎるのでは?と思う人は、一度鏡を見てさまざまな表情をしてみてください。
自分で確認すると分かるように、顔の表情って意外にも相手には伝わりにくいものです。
会話をしている当事者は、会話相手のリアクションを参考にしながら、話の内容が楽しいかどうかを判断しています。
会話を笑顔で聞いていたり目を大きく開いて驚いたりと多少オーバーな表情をすることで、相手に自分の話をきちんと理解していると感じさせ、楽しいと思わせることができます。
誰もが分かる会話をネタにする
初対面の相手と会話をする場合、相手の情報がないこともあり、どう会話すべきか困ってしまいます。
難易度の高い初対面の人との会話は、誰でも分かる会話のネタを出すことがおすすめです。
例えば当日の天気の話題や世間を騒がせているニュースの話題など、ほぼ全員が知っているであろうネタを会話に盛り込みましょう。
「少し前までは寒かったけれど、急に暖かくなりましたね」など、ささいな話題で十分です。
このような会話のネタはあくまで次の会話をスムーズにするための手段ですので、会話を広げようと努力する必要はありません。
会話のターンを意識する
会話は言葉のキャッチボールですから、自分と相手の会話の割合を5:5にするよう意識してみてください。
自分がしゃべりすぎたなと感じたら相手に質問をぶつけ、相手が話しすぎている時は相手の話を聞いて感じたことを話すようにして、会話の割合をうまくコントロールしましょう。
筆者が実践したおすすめの会話術
最後に筆者が接客経験を通して身に着けた、おすすめの会話術をいくつかご紹介します。
「知らないフリ」で会話を盛り上げる
接客をする際にお客さんを楽しませたいと実践したのは、知らないフリです。
例えばお笑い芸人が大好きな相手だとしたら、多少ネタを知っていても無知であることをアピールするだけで、相手はお笑い芸人の情報をどんどん話してくれます。
無知の他人に自分の得た知識を教えることって、誰しもが優越感に浸れる行為ではないでしょうか。
相手の話す情報にきちんと反応をすることで、相手はより話を楽しいと感じてくれるはずです。
インタビュアーになりきる
会話を広げない悪癖を持つ人の解決策でも話した通り、相手に楽しく会話をさせるにはインタビュアーになりきるのがおすすめです。
雑誌やテレビのインタビュアーの会話に注目してみると、なぜ?どうして?と相手の話を深堀りする質問を頻繁に行っています。
話だけでなく相槌を打つタイミングや相槌の種類も参考になるので、楽しい会話をするためにはまずインタビュアーの話し方を学んでから、実際の会話でも実践してみてください。
相手の「好き」を勉強しておく
筆者が顧客さんに使ったテクニックの中に、相手の「好き」を勉強しておく方法がありました。
初対面時に得た相手の趣味や好きな芸能人について調べ、次に会った時に会話が盛り上がるようにしたのです。
今はネットで簡単に情報を調べられる時代ですが、相手は自分のために調べてきてくれたと自分を評価し、好感を抱いてくれます。
楽しい会話をするためには少しの努力も大切
楽しい会話をしたいなら、相手任せにせず自分から話を進める努力も必要です。
努力と言っても難しいものではなく、ただ自分が会話をしていて楽しいと思えることを相手に返せばよいだけです。
会話を盛り上げようと意識するとプレッシャーがかかり、より会話に苦手意識を感じてしまいます。
まずは相手の話を聞く姿勢を心がけ、次に今回紹介したテクニックを応用して会話を広げるように努力してみてください。