結婚に向く女性、向かない女性を統計データで調べてみた

女性が考えゴトをしているイメージ
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結婚に向いている女性とは

こんにちは。
今回「結婚に向いている女性とは?」というテーマで、原稿のご依頼をいただきました。

結論から言えば、結婚に向いている女性は「結婚のメリットが多い女性」「パートナーとの恒常的関係を維持できる女性」だと考えます

山田昌弘『結婚不要社会』(朝日新書,2019年)によると、結婚とは「性関係のペアリングに基づく恒常的関係」であり「経済的」「心理的」な効果があると説明しています。

結婚を評価する際に「恒常的関係の維持」「経済的」「心理的」の3要素を俯瞰(ふかん)して考える必要があると思います。

表面的な損得で結婚を考える傾向が強まっている

男女が手を握り合っているイメージ
近年、結婚のメリットを表面的な損得で考え、自分が「結婚に向かない」と思い込む人が多いと感じます。

マーケティングアナリストの原田曜平さんは「20代の結婚観に見る、少子化が止まらない未来」(PRESIDENT WOMAN 2019年10月26日)という記事の中で大学生5名の座談会を実施しています。

中でも、以下の女性2名の発言が象徴的です。

「子育てにかかる労力やコストを考えると、2人だけのほうがゆとりを持って過ごせそう」
「結婚の一番のメリットは体裁がとれること」
「母からいつも「結婚は愛じゃないのよ、お金よ」って言われている」
「事実婚も結婚も何のメリットがあるのかわからない」
「(独身は)自分のことだけ責任を負えばいいので気楽かなと思います」

このような考えの高まりはデータで確認できます。

国立社会保障・人口問題研究所「出生動向基本調査・独身者調査」では、未婚女性18~34歳の結婚の利点として「精神的な安らぎの場が得られる」「現在愛情を感じている人と暮らせる」が減少し、「経済的に余裕がもてる」「親を安心させたり周囲の期待にこたえられる」が増加しています

 

結婚の利点だと思うところリサーチ

 

愛よりお金………結婚は体裁のため………生活の快適さを失いたくない……。

このような表面的な損得だけで自分が「結婚に向かない」と判断するのは早計なのではないでしょうか。

結婚の重要なメリットは中年期におけるパートナーとの支え合い

結婚のメリットは青年期の立場で考えるだけでは十分理解できません。

なぜなら結婚のメリットには、自身が中年期以降になって始めて実感できるものもあるからです

今津考次郎『人生時間割の社会学』(世界思想社,2008年)によると「中年期の危機」の特徴として「身体的変化」「自己像の変化」「時間意識の変化」「家族のライフサイクルの変化」をあげています。

「身体的変化」
⇒中年期になると体型の変化、体力の低下、性の衰えなどの変化を感じることで「もう若くない」という心理が危機感を強める

「自己像の変化」
⇒経験を積み重ねると自分の能力の可能性や限界が明確になり自分についての全能感、無限の可能性を喪失する

「時間意識の変化」
⇒「これだけ生きてきた」という時間意識よりも、「あとこれだけしか残されていない」という時間意識の方が強くなり、喪失感をもたらす

「家族のライフサイクルの変化」
⇒親が老年期に入るなど家族全体が新たな段階を迎える

青年期では、自分は健康であり、自己実現へのモチベーションは高いし、まだまだ人生の時間があると思えるし、親も元気でしょう。

しかし、自分や周囲の状況が加齢によって移ろっていくときに、結婚のメリットを同じように考えることができるでしょうか。

私は、結婚の重要なメリットは、「中年期の危機」に直面したときに、信頼できるパートナー(や子供)と支え合うことができることだと考えます

30~40代では既婚女性の方が孤立感が低く生活満足度が高い

親子が浜辺で歩いているイメージ
実際に30~40代では、既婚女性の方が未婚女性よりも孤立感が低く、生活満足度が高くなります。

ISSP国際比較調査『社会的ネットワークと社会的資源』(2017年)のデータで日本の女性を分析しました。

「この1か月の間にまわりから孤立していると感じた頻度」という質問では「まったくなかった」と回答した比率は既婚者30~40代では58.9%、未婚者30~40代では40.8%でした。

未婚者の孤立感の高さが確認できました

また、未婚者20代では同53.8%ですので、同じ未婚状態でも30~40代になると孤立感が一層と高まることを示しています。

また、「あなたは今の生活に、全体としてどのくらい満足していますか」という質問では「満足している(計)」は、既婚者30~40代では73.3%、未婚者30~40代では47.9%でした。

既婚者の方が生活満足度が高いのです。

旦那の愚痴……子育ては大変……自由がなくなる……このようなネガティブな情報ばかりを見てしまうと、既婚者が実際には幸福に暮らしていることはイメージしにくいのかもしれません。

結婚に向かない”ダークな性格”

指輪のイメージ
結婚に向かない女性とは支え合いに向かない性格の女性だと考えます。

支え合いに向かない性格は、心理学の”ダークトライアド”の性格に該当するタイプだと考えます。

「ダークトライアド」とは「自己愛」「マキャベリアニズム」「サイコパシー」の3つの要素から構成されています。

わかりやすくいえば「自己中心的で他人を手段的に扱う性格」です

このような性格ではパートナーと長期的な関係は維持できないことは容易に想像ができます。

私は2019年12月に自主企画調査を実施しどのような女性が「ダークトライアド」の傾向が強いのかを分析しました。

「自己愛」「マキャベリアニズム」「サイコパシー」にそれぞれ対応した質問と関連が強い因子を「ダークな性格」と名付けました。

<「ダークな性格」因子と関連の強い質問項目>
「他人に対して「なぜこんな簡単なことがわからないのだろう」と感じることがよくある」(自己愛)
「自分の思い通りになるように周囲の人を扱いたい」(マキャベリアニズム)
「だますよりだまされるほうが悪いと思う」(サイコパシー)

すもも『未婚女性の恋愛に関するインターネット調査』(2019年12月)
対象:全国の20~34歳未婚女性1,000名、株式会社クロス・マーケティングに調査を外注

分析の結果、ダークな性格は「年収が高い女性」「告白された経験が多い女性」で高まることがわかりました

経済的、性的に強い立場にあることが万能感を抱かせてしまうのかもしれません。

このような特徴に該当する女性はダークな性格が強い可能性がありますので、冷静に振り返ってみてもいいかもしれません。

まとめ

結婚のメリットを、青年期の表面的な損得計算だけで評価し「自分は結婚に向いていない」と考えてしまうのは早計だと思います。

加齢によって移ろいゆく自分や周囲の変化も想像した上で評価していかないと、重要なメリットを見逃すのではないでしょうか。

今の世の中、結婚・子育てのマイナス情報が溢れています。

しかし実際は30~40代女性においては既婚者の方が生活満足度が高く、孤立感が低いのです

そして支え合いという結婚の重要なメリットを享受するためには結婚に向いた性格(”ダークな性格”ではない)である必要があるし、そのような相手を選ぶ必要があるでしょう。

すもも

「データ分析を活用した男女論をインターネットで発信しています」 ▼Twitter:https://twitter.com/sumomodane ▼note:...

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