これってモラハラ？「無視」「物に当たる」彼を許すか許さないかの境界線

優しくも切れ味鋭い人生相談で女性ファンから圧倒的な支持を得ているラブホの上野さん。
今日は「モラハラ彼氏と別れたいけど、別れられない」とお悩みの女性を、優しく諭します。

【相談】
彼は私と一緒にいるとき「服がダサイ」「最近太った」など、テンションが下がることを言い続けたり機嫌が悪くなれば無視してきたり、物に当たるモラハラだと思います。
本当は彼のような人と別れるべきなのですが私はこれまでに付き合った男性全員がモラハラ系で次にいってもどうせまたモラハラと付き合うんだなと思ってしまいます。
また、私自身もモラハラである彼を軽蔑しているからこそモラハラ発言に傷ついても、好き勝手に反論できている気がします。
（ブス、と言われても「誰のおかげでご飯食べれると思ってんの？ハゲ！」と言い返せます）
私にはやっぱり、まともな男性とのお付き合いは諦めたほうがいいのでしょうか。

【回答】
ご質問誠に有難う御座います。

ご質問者様のお気持ちはわかりますし、私が言うべき言葉もある程度は分かるのですが、このご質問文を読んでいるとどうしても「この男性はそこそこまともなのではないか」という風に感じてしまいます。

何もご質問者様の被害妄想が激しいとか、そういうことを言いたいわけではないのですが、ここで「そんな男はクズだ！」というように煽るようなことを私はあまりしたくありません。

煽るという行為自体が嫌いという理由も御座いますが、煽ることがご質問者様の幸せにつながらないと思うのです。

というわけで私が「この男性はそこそこまともなのではないか？」と思った理由と、別れろと煽らない理由を懺悔としてお聞き頂ければ幸いです。

人は被害を受けた時「最大の被害」を訴えるものです

例えばこんな女性がいたとしましょう。
「彼氏から日頃から殴られていて、アザや怪我をよくしていた。

そして先日ついに彼の暴行が原因で骨折をして病院に運ばれた。
さらに彼は日頃からゴロゴロしていて、家事を手伝ったことがない」

もしもこんな女性が自身の被害を訴えるためにツイートでもするとしたら、おそらくこんな文章になるでしょう。
「彼から殴られて骨折しました。病院に運ばれて手術をしましたが全治3ヶ月です。こんな最低な男をどう思いますか？」

一般論として、被害を訴えるときは「最大の被害」を訴えるものなのです。
ですので彼のDVで骨折した女性は間違っても「彼は家事を手伝いません」とは言いません。

骨折の件のついでとしてそれを言うことはあっても、骨折の話をせずにそれだけを言うことはないのです。
ですのでご質問文に書かれていた「服がダサい」「最近太った」という彼の発言は、彼がご質問者様にした悪口の中で最も酷いものであると考えるべきでしょう。

もちろんそんな悪口を言うことを肯定するつもりは御座いません。
しかし最大の悪口がそれというのは、そこまでヤバイ人間とも思えないのです。

そもそもご質問文の内容を信じるのであれば、彼が言っているのはあくまでも「意見」に過ぎません。

「服がダサいからお前はこの服を着ろ」とか「最近太ったから明日から飯を食うな」というようなものであれば、確かにかなり悪意が強いとも思うのですが、おそらく彼は自分の感想をそのまま言っているだけなのです。

つまり「最近痩せた？」と同じテンションで彼は「最近太った？」と言っているでしょうし、「その服かわいいね！」と同じ気持ちで「その服ださい」と言っているのではないかと思います。

もちろんそうであっても、そんなことを言う必要は御座いませんし褒められたものでも御座いませんが、目を釣り上げて言及するほどの悪かと言えば私はそうは思いません。

重ね重ねになりますが、別に彼のことを肯定するつもりはないのです。
ただ、おそらく彼は思ったことをそのまま感想として言っているだけで大した悪意はないのではないでしょうか？

さらにさらに言えば、彼はあくまでも感想を言っているだけで「ああしろ」「こうしろ」とは言っていないのです。
もちろん度々の重ね重ねになりますが、彼を肯定したいわけでは御座いません。

ただそこまで言うほどの悪だとも思えないのです。

彼が機嫌が悪くて黙るくらいは、許しましょう

続いて気になったのが、彼が機嫌が悪くなると無視するということ。
まず大人であればある程度、自分の機嫌を管理するのは義務のようなものでしょう。

ですので彼が頻繁に機嫌が悪くなるのであれば、そのことについては彼に問題があると思います。
ですが人間ですので機嫌が悪くなるのは仕方がありません。
その時に彼が「無視」という選択をしているのはこれは褒めこそせよ、非難する気には全くなれないのです。

ご質問者様は「機嫌が悪くなると黙る」というご不満を抱えているようですが、それでは彼は機嫌が悪くなった時にどうすれば良かったのでしょうか？

「頻繁に機嫌が悪くなる」
「すぐに拗ねる」
「いつも機嫌が悪い」
こういったことを非難するのは分かります。

ですがもしも機嫌が悪くなってしまったとして、その時に彼はどうすれば良いのでしょうか？
そういう意味では「黙る」というのはかなりまともかつ冷静な対応であると私は思います。

機嫌が悪くてイライラしている時に会話をしても喧嘩になるだけ。
だから黙って自分の感情を抑えるというのは極めて冷静な対応であると私は思います。

もう何度目になるか分かりませんが、重ね重ね申し上げますが私は彼を肯定したいわけでは御座いません。
ですが「機嫌が悪くなると黙る」という彼の行為をどうしても否定できません。

「機嫌が悪くなりやすい」ということは非難できますが、なってしまったものは仕方がないのです。
そしてその時の対処法として「黙る」というのは非常にまともかつ冷静な対応だと私は思います。

ですので「機嫌が悪くなる」ということは非難しても、「黙る」ということは非難しないでほしいのです。
必死に耐えているのにそれを否定してしまったら、それこそ彼は全面戦争しかすることがなくってしまうのです。

物に当たるの彼は「そこそこまとも」かもしれませんよ？

そして最後に最もご理解いただけないであろう話なのですが、実は私は「物に当たる人」はそこそこまともな人だと思っております。
もちろん物に当たることを褒めるつもりは一切御座いません。

重ね重ね重ねになりますが、彼を肯定するつもりはないのです。

しかし、彼が物に当たるタイミングと、当たる対象によっては彼はそこそこまともなのではないかともまた思わずにはいられません。

例えばご質問者様と喧嘩をして、彼が何かに当たったとしましょう。
もしもそれが彼自身のものであり、尚且つそこまで大切ではないものであったとしたら、彼は怒っている割には冷静な対応をしていると言えるでしょう。

何故ならばそのイライラは本来ご質問者様に向かっているはずなのです。
しかし人を殴ってはいけないという理性が残っているからこそ、彼は人を殴らずに物に当たっている。
しかも大切なものは壊さないという極めて冷静な理性もちゃんと働いているのです。

彼がどんな状況で物に当たるのかは分かりませんが、はらわたが煮えくり返るほど怒っているのに、それでもちゃんと物に当たっているのであれば、彼はどれほど怒ってもちゃんと理性を残しているまともな人であると私は思います。

もちろん本当に何度目か分かりませんが、彼を肯定したいわけではないのです。

ただこの文章を読んで
「物に当たる男なんて最低だよね。俺なら絶対そんなことしないのに」
などと言っている男に比べれば、私は彼を信用します。

「自分は絶対にそんなことをしない」などと自惚れている人間など信用に値しません。
彼らがそんなことをしたことがないのは、そんな場面に出会していないだけの可能性も十分にあるのです。
それなのに自分の理性を過信して「俺はそんなことをしない」などと言っている人をどうして信用できるのでしょうか？

そんな男に比べれば「人に当たりたい時に人を殴りたい気持ちを抑えて、きちんと物に当たった」という実績がある彼の方がまだマシです。
本当に重ね重ね重ね重ねになりますが、彼を肯定したいわけではないのです。

ただ、そこまで怒るほどヤバイ人ではないかという気持ちがどうしても拭えません。
肯定はしません。
でも、多分そこそこまともなのです。

もちろんご質問文だけで全てを推測することはできません。
また「機嫌が悪くなりやすい」「感情的になりやすい」というような問題を擁護するつもりは御座いませんし、無神経に「太った？」と言う肯定するつもりもないのです。

ただ、ご質問文を読んでいる限りでは「そこそこまともなのでは？」という印象をどうしても受けてしまいました。
失礼ながらご質問者様は彼に対して憎しみがあり、彼を軽蔑しているのです。

つまり少なからず、彼に対して過剰に否定的なご質問文を書いている可能性が高いでしょう。
その前提を踏まえてご質問文を読むと「それだけ憎んでいる割には、そこまでヤバいことが書かれていない」とどうしても思わずにはいられないのです。

もしも同じ内容が「大好きな彼なんですが、ちょっとこういうところは直してほしいです」という前提で書かれていたら「やばい」と思うのですが、軽蔑しているという前提でこのご質問文であると考えると、多分彼はそこそこまともな気がします。

おそらく彼の「太った？」はただの感想です。
「今日天気いいね」と同じテンションで言っています。
おそらく彼が無視するのは、それ以上の方法がないから。

言葉は非常に悪くなりますが、そんな彼に「なんか言えよ！」と言っているのであれば、殴られて黙っているいじめられっ子に「悔しかったら殴ってみろよ」と言っているいじめっ子にしか見えません。

そして物に当たる。
これは褒められはしません。

ただ問題なのは頻度と対象。

褒められはしませんが、私としてはギリギリ許容できる範囲なのです。
そもそも彼がどのような状況で物に当たったのかが分からない以上、強く否定はできません。

例えばご質問者様が浮気をしていて、さらに彼の貯金を使い込んでいて、さらにさらにリボ払いで借金100万円を背負って、さらにさらにさらに彼の大切にしていたプラモデルを売却してしまったのに、それでも彼が物に当たるで抑えたのであれば、むしろ称賛したいレベルでしょう。

もちろん、今回のご質問文で「そんな男はモラハラだ！！すぐに別れろ！」と言うのは簡単で御座います。
簡単ですし、その方がご質問者様を含め多くの方の共感を得られることもわかっています。

実際、そのような回答をする方も多いでしょう。

ただそれは悪戯に対立を煽る武器商人のすること。

これだけでは私は彼を強く非難は出来ません。