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「浮気をした彼を許せない」のは傲慢?ラブホの上野さんが答える人生相談

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女性に寄り添う人生相談で大人気、ラブホの上野さん。今回は上野さんに「浮気をした彼と別れるべきか」のご相談がまいりました。

28歳女性です。浮気をした彼と別れるべきか、悩んでいます。
私は彼と付き合って2年になります。
結婚の話もこのままいけば出てくるかな、と思っていたのですが、そんな彼が私に隠れて、元カノとデートをしていたことが分かりました。
彼は元カノとのLINEで「会いたいにゃあ」などと、私にも見せない甘えた姿を見せていました。
また、私が潔癖すぎる、あまり構ってくれないなど、愚痴も元カノへ言っていることがわかりました。
彼を問い詰めたところ「元カノと復縁したい気持ちもあった」と言われてしまいました。
今は私と関係を続けたいと言っていますが、一度でも彼の中で私への気持ちが揺らいだのかを考えると自信がなくなってしまいました。
また、彼が最後まで決定的な浮気(体の関係)をしたかについては答えを濁したので、その気持ち悪さもあります。
浮気といっても、グレーな範囲とも言えます。
このまま私は彼を許すべきなのでしょうか。
でも、このまま結婚まで進んでいいのでしょうか。自信がありません。

【回答】

ご質問誠に有難う御座います。

どうにもご質問者様は意識的か無意識的か「彼は自分と結婚をしたいはずだ」とお考えのようで御座います。「このまま結婚まで進んでいいのでしょうか?」というお悩みは「このまま結婚まで進める」という前提があってこそのお悩み。つまりご質問者様は「彼が自分と結婚したいと思っている」と思っているようで御座いますが、私から見ると彼氏様がそんなことを思っているとは決して思えません。

むしろどちらかと言えば振られる間近。私の予想が正しければ彼はそう遠くない未来にまた浮気をすることでしょう。

いえ、もしかすると次回は浮気ではなく本気かもしれませんが。

潔癖すぎる→わかる

彼氏様はご質問者様に対して「潔癖すぎる」と言ったようですが、今回のご質問文を読んだだけの私もご質問者様は潔癖すぎる方なのだと感じました。

もちろんそれは「つり革に触らない」とか「おにぎりを食べない」というような意味での潔癖ではなく、精神的な意味の潔癖で御座います。

それが特に現れていたのがご質問文の中のこの部分でしょう。

「一度でも彼の中で私への気持ちが揺らいだのかを考えると」

彼氏様の心が昔の恋人に流れてしまったことに対しての一文だと思いますし、このようなお気持ちになるのも分からなくはありません。

ですのでご質問者様が「勢いで書いてしまった」だけであるのならば、この一文にそこまで深い意味はないでしょう。

しかし彼氏様の「潔癖すぎる」という発言と合わせて考えると、ご質問者様は勢いではなく本心としてこの一文を書いたのではないでしょうか?

だとすれば、それはあまりにも潔癖すぎると言わざるを得ません。

賭けても良いですが、彼氏様はこれまで付き合った2年間の間に数十回は気持ちが揺らいでおります。

そして自覚はないかもしれませんが、ご質問者様の心もまたこの2年間で数十回は揺らいでいることでしょう。

人間の心は揺らぎ移ろうものなのです。どれほど本気で愛していようが、ちょっと嫌なことがあれば「やっぱり好きじゃないかも」と気持ちが揺らぐものでしょう。

逆に「やっぱ好きじゃないかも」と思ったとしても一晩寝れば「好き」となる。
人間の気持ちというのは「好き」で固定されているわけではなく、「好き」「大好き」「好き」「大嫌い」「大好き」「好き」「嫌い」「大好き」というように波を打っているものなのです。

ですので1度や2度相手の気持ちが揺らいだことぐらいで関係を終わらせてしまうのは、たった1つでも嫌な部分があれば嫌いになる精神的な潔癖症であると言わざるを得ません。

この2年間で彼氏様は数十回は気持ちが揺らいでいるのです。それは決して彼氏様が特別多いというわけではなく、普通の人間として当然の数でしょう。

むしろ1度も揺らいだことがないという方がもしもいたとしたら、そんな狂人との付き合いを私は絶対にお勧め出来ません。

彼はいったいなぜ元カノを選んだのか


さて、それでは次に彼氏様の気持ちについて考えてみましょう。

彼氏様はご質問者様を裏切って浮気をしたわけなのですが、ここで1つご質問者様にお伺いしたいことが御座います。

彼氏様はいったいなぜ元カノとの浮気を選んだのでしょうか?

別に浮気をするだけならば女友達でも街行く女性でも同僚でも誰でも良かったことでしょう。

それなのに彼は一体なぜ元カノを選んだのでしょうか?

もちろん元カノへの未練が強く残っていて、元カノを選んだという可能性もあるでしょう。

しかし私は「一番手頃だった」というのが本心ではないかと思います。

つまり「好きな人が出来たから浮気をした」のではなく「浮気をしたかったから手頃な女性を選んだ」ということ。

現実的な話をすれば「元カノとの復縁」は決して手頃ではないのですが、「会いたいにゃあ」なんて言ってしまうような男性なのですから元カノとの関係は今でもそこそこ良好だったのでしょう。彼が元カノが最も手頃と考えたのも分からなくはありません。

そう考えると彼氏様は何も元カノのことが好きだから浮気をしたというわけではないでしょう。

彼氏様は元カノが好きだから浮気をしたわけではなく、ご質問者様から逃げ出したかったから浮気をしたのだと思います。元カノにご質問者様への不満を溢していたり、ご質問者様に見せない甘えた態度を見せていたことからもこの可能性は非常に高いことと思います。

彼氏様の「潔癖すぎる」という言葉もそれを裏付けているような気がしてなりません。

そもそも、もしも彼氏様がご質問者様とやり直す気が本気であるのであれば、例え嘘であっても「元カノとたまたま飲みに行って盛り上がっただけで、やり直そうなんて気はなかった」というべきなのです。

「元カノとやり直したい気持ちもあった」なんて言ってしまったら、ご質問者様の気持ちを逆撫でするのは明白。もしもやり直す気があるのであれば絶対に言わないセリフでしょう。

つまり彼がそう言ったのは、彼がそれすら予想できない大馬鹿ものか、もしくは”ご質問者様とやり直す気なんてそこまでない”かのどちらかなのです。

私は彼氏様のことをよく知らないので断言は出来ませんが、おそらくは後者の可能性が高いでしょう。

心は笑顔の被害者


おそらく彼氏様はご質問者様に嫌気がさしていて、すでに別れる気で行動をしていることでしょう。

しかし自分から別れを切り出すほどの勇気はないので、何か別の形で終わることを望んでいる。その手段の1つが浮気だったのかと思います。

それならば私が浮気を糾弾した時に「元どおりになりたい」なんて言わないでよ!

と思うかもしれませんが、善悪はともかくとして、人の気持ちを考えればそんなことは簡単にお分かりになることでしょう。

彼は「俺は別れたくない」と言ったまま別れたいのです。

必死で彼女との関係を維持しようとしたという体裁を守ったまま、”仕方なく”彼女に振られる。それこそが彼を含め、多くの男性の望みなのです。

ですので彼が今後ご質問者様に結婚を申し出ることはないでしょう。

ご質問者様のお悩みである「このまま結婚していいか」という不安は全くの無駄なのです。取らぬ狸の皮算用とはまさにこのこと。彼がプロポーズをしてから悩んでも全く問題ないでしょう。

さて、ここから先は完全に私の想像になりますので話半分で聞いていただければ幸いです。

もしかしたら今回の回答を読んでこう思った方も多いのではないでしょうか?

「浮気をされた側」に対して妙に冷たい、と。

私としても彼女様のことを叱責しない範囲で出来る限り冷たい内容になるように心がけたので、そう感じて頂けたのであれば何よりで御座います。

もちろんそのようにしたことにはきちんと理由が御座います。

それがこの部分。

また、私が潔癖すぎる、あまり構ってくれないなど、愚痴も元カノへ言っていることがわかりました。
彼を問い詰めたところ「元カノと復縁したい気持ちもあった」と言われてしまいました。

この部分を読んで、私は「彼女に同情するような優しい言葉をかけるべきではない」と考えました。

なぜならば今回のご質問文にはただの一言も

「もしかしたら自分が悪いかも」

ということを匂わせる一文が存在しないのです。

もちろん今回浮気をしたのは彼氏様なのですから、どっちの方が悪いですか?と聞かれれば私だって「彼氏」とは答えます。

しかしそれは「どちらの方がより悪いですか?」という質問に対して「彼氏」と答えているだけであり、100%全面的に彼氏が悪いなんて言うつもりは御座いません。

世の中に数多ある問題の中で「全面的に100%一方が悪い」なんてことはそうそう起こらないのです。

ですのでおそらく今回のご質問者様にも何かしらの落ち度はあることでしょう。

もちろん落ち度があるからと言って、彼氏様の浮気が許されると言いたいわけでは御座いません。しかし「潔癖すぎる」とか「構ってくれない」というような落ち度は確かにあったわけですから、その点についてはご質問者様の何かしらの反省があっても良いでしょう。

例えば先ほどの引用文が

また、私が潔癖すぎる、あまり構ってくれないなど、愚痴も元カノへ言っていることがわかりました。
確かにそれは否定できませんが、それと浮気は関係ありません。
彼を問い詰めたところ「元カノと復縁したい気持ちもあった」と言われてしまいました。

とでもなっていたら、私はこんなことを書きませんでした。

「確かに否定できない」と自分の落ち度を認めているのです。しかしご質問文にはそのような部分が全く御座いませんでした。

自分には何の落ち度もないと言わんばかりに、ご質問者様自身の落ち度が何一つかかれていないのです。

例えばLINEの件。

彼のLINEには「会いたかったにゃあ」的なことが書かれていたようですが、ご質問者様はどうしてそれを知っているのでしょうか?

まさか彼が馬鹿正直に「会いたかったにゃあと書きました」なんて言ったわけではないでしょう。

もちろんこれは推測で御座います。

しかし、ご質問文ではLINEの内容について書いた後にわざわざ「彼を問い詰めると」と書いていることからも、問い詰めてLINEを見せてもらったのではなく、LINEを見た後に問い詰めた可能性が高いように思えます。

とは言え仮にご質問者様がスマホを盗み見をしていたとしても、彼氏に対して冷たい態度をとっていたとしても、そのこと自体を注意するつもりは御座いません。

私が言いたいのはそこではなく、何事も0か100かで考えないで欲しいということ。

1)彼が浮気をしたから、彼は悪い。

ここまでは良いでしょう。

2)彼が浮気をしたから、彼が全面的に悪い!!

怪しくなってきました。

3)彼が浮気をしたから、私は何も悪くない。

かなり危険な思想ですね。

4)彼は浮気をした悪人だから、彼に何をしても良い。

最終的にたどり着くのはここ。

今のご質問者様は2)と3)の間あたりでしょうか。ギリギリ引き返せるラインでしょう。

しかしこれ以上進んでしまったら、それはもう世界に害を撒き続けるカルト信者と変わりません。

ですのでどうかここで踏みとどまって頂きたいのです。これ以上進んではいけません。

彼が悪いとか悪くないとかそんなことはどうでも良いのです。これ以上進んだら、ご質問者様自身が巨悪になってしまう。だからこそ私は被害者であるはずのご質問者様に冷たい言葉をかけざるを得なかったのです。

ご質問者様が自分のことを悪いと思っていれば「あなたは悪くないよ」とでも言えたでしょう。ですが自分は悪くないと思っている人に私はその言葉をかけられません。

どうかここで止まってください。

0か100かではないのです。比率として彼氏の方が悪いということはあっても、100%彼氏が悪いなんてことはそうそう御座いません。

1:99か50:50かは分かりませんが、100:0ではない。

自分にも至らぬところ、悪いところがあると理解し、その点についてはきちんと反省しながら、相手の悪いところをボコボコに殴らなければなりません。

ラブホの上野

都内某所のラブホスタッフ。 ラブホの上野さん原作・各種コラムの執筆をさせていただいております。

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